恋チョイス
「たしかに、ヨシダ・リタを腕組んでって言ってたぞ!」
「よっしゃ。ゴウダ、金よこせ!」
やんややんやで踊りあがる連中を、あたしは、ぼうぜんとながめた。
どうやら、かんぺき敗訴から、逆転勝訴となったようす。
と、そこへ、
今度はゴウダが進みでた。
「おい、みんな落ち着け。おれはいってないぜ? 二人で腕組んで、とはな」
そういうと、意味ありげにあたしをしめし、もうこらえきれない、というふうに、腹をかかえて笑いだした。
ゴウダの爆笑にあてられて、みんなしらふにもどり、こぞってあたしを見た。
あたしも、つられて顎を下げた。
一人しっかと腕組みしていた。