恋チョイス
派手に着かざった女と、仲むつまじそうにしゃべっている。
女は、凝ったネイルをほどこした手をゴウダの広い肩にひっかけて、べったりねっとり密着。
ゴウダと一緒にいるところを見せびらかすように、わざとらしい、耳ざわりな嬌声をあげている。
なによ、あの女。
あたしは、睨みつけたいのをこらえて、すんなり目線をはずした。
うつむいて、紺色のスカート上で、ネイルのはげた爪をはじく。
気に食わない。
きいた話では、ゴウダに彼女はいないそう。
だったら、なんで、このあたしを誘わないの?
最初の日以来、音さたなし。
どういうつもりよ。
けれど、厳密には一度、誘われていた。