恋チョイス



「送るから、乗れよ」


寮への帰りみち、ゴウダは、黒いバイクで追いかけてきた。


もちろん、あたしはつっぱねた。

「ほっといてよ」



すると、ゴウダはどうしたか。

なんと、

「じゃあ気をつけて帰れよ」


Uターンして、走り去ってしまうではないか。



あたしはずいんぶん待った。

待ちに待ち、取り残されたのが確実となって、足を踏みならした。


「ほんとに、ほっといてどうするのよ、バカたれ!」



これを、誘われた数にいれるなど、断じて、ノー! に決まっている。

< 50 / 243 >

この作品をシェア

pagetop