恋チョイス



ゴウダの声の振動が、あたたかい肌をとおして、直接、あたしの胸にとどいた。


すべてが、とろりん、とろける。



なのに、また、口をすべらせた。

「嫌い。大っ嫌い」



「は?」

ゴウダは、上体をはなして、まじまじとあたしの顔をのぞきこんだ。


「え、なんで?」


「なんでも」


「好きになれ」


「ならない」


「だから、なんで!」

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