恋チョイス



「なんでも!」


「好きだろ?!」


「嫌い! 大っ嫌い!」


さいごは二人とも、笑いながら怒鳴っていた。


「くそっ! もういい」


ゴウダは、あたしを押しはなし、車のエンジンをかけた。


思い出したように、後部座席から紙袋をとって、こちらに放る。


「ケータイ。おまえ持ってなかっただろ。使えよ」



あたしは紙袋を抱いて、ドアをあけた。

けれど、


「ああ、待って!」

ゴウダから、せっぱつまったように呼びとめられた。

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