恋チョイス



ゴウダは、ボールを地面におとして足ではずみをとめると、あたしの片手を引きよせた。


「おれの地元に来いよ」

いいながら、あたしの指の股をおしひらき、太い指を交互にさしいれ、ぎゅっとにぎる。


「泊まるとこぐらい、なんとなるし。ダチも、おもしろい奴ばっかだぜ?」



あたしは、込み上げるうれしさで、胸がしめった。


イエス、といえない歯がゆさをあじわう。


「前科があるから、むり」

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