恋チョイス
ゴウダは、あたしの指を吐きだしていった。
「だまれ、ブス」
ゴウダの口もとからはなれたのが淋しくて、急にあたしは、するどい後悔に突きあげられる。
もっと、キスしておけばよかった。
ついで、幸福の雪崩にのみこまれる。
これから、もっとたくさんキスすればいい。
「ま、友達は、おれ一人でがまんしとくんだな」
ゴウダは、優しいことをそっけなくいって、あくびする。
「なあ、腹へんない?」
「あたし、甘いもの食べたい」
「おれのこと?」
「そう!」
と、元気良くいいたのをつつしんで、あたしは、つまらなさをよそおう。
「あんた、バカ?」