恋チョイス
第三章
夜の出来事
それは、梅雨あけ記念に、花火をした夜におきた。
おきた、とあたしは思っている。
海岸道路ぞいの浜辺。
焚き火の炎が、あたし、ゴウダ、ピアス、アフロ、キミドリの影を、ちらちら砂へ投げていた。
男たちはすぐ、手持ち花火にあきた。
地に置く花火をつかんで火花をあびせあい、爆竹を鳴らしだす。
あたしは耳をふさいで、道路ぎわの堤防に退避した。
おちつくと、ゆるい海風にとり肌がたつ。
ゴウダがやってきた。