恋チョイス



よくわからないまま、ゴウダに手を引かれていたから。



堤防の階段を、道路へとかけあがる。


「あのデブ、腹つかえて、まともにこげてないスよ」


キミドリが報告し、男たちは、首をうしろにねじって、口々に実況しだした。


「警棒でとめられるかって。拳銃うて、拳銃」


「コケやがった。情けねー」


「なんだ、自転車パンクか?」


「おっと、自力で走るか? デブ、走ったー」


「おせー!」


「止まったー」


「はえー!」

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