恋チョイス



「ねー、まだー?」

あたしは、起きぬけの赤ちゃんみたいにむずがった。


「足、いたいよー」



ゴウダが、こちらに顔をまわした。

ひどくゆっくりと告げる。


「ついた」



ゴウダの背後の闇に、たわんだ家屋の輪かくが浮かびあがっていた。


あたしの、酔いがすむ頭に、メッセージがにじむ。



危険……、危険……

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