実はね
素顔



私には、彼氏がいる。
でも、その彼は…………。

「おいっ笹川っ何ボーッとしてる」

「あ、すみません……。」

「課題増やすぞっ」

「すみません……」

「座れっ」

今は授業中。
ボーッとしてる私を怒った神木先生。
彼が、私の彼氏。


キーンコーンカーンコーン♪


あっ終った

「笹川っちょっと来い」

「………はぃ」

私は、先生に呼ばれて一緒に教室を出た。
先生について行くと空き教室に入った。

「京佳っ何ボーッとしてたんだ?」

「だって……」

先生は、ニヤッと笑って私に近づいてきた。
私の前で止まった。

「相手してないからいじけてんの?」

「べ、べつに………」

私は、何も言えなかった。
だって確かにそうだから。
最近ずっと外で会えなかったから。
周りの目を気にしないといけない。
そんなのわかってる。
でも、私は琉ちゃんとデートしたい。

「あっそ…じゃあねっ」

教室から琉ちゃんが出て行こうとする。

「待ってっ」

私は、後ろから琉ちゃんを抱き締めた。
琉ちゃんは振り返った。

「ごめんっ琉ちゃんが言ってた通り……です……」

私は、恥ずかしくて琉ちゃんの胸に顔を埋める。

「よく出来ました。ご褒美を上げましょう。」

そう言うとかけていたメガネを外して顔が近づいてくる。
私は、上を向いて目を閉じる。

チュッ

リップ音がなった。

「はいっ、おわり」

「え?もう、おしまい?」

「授業だからね?」

私は、ムスッとしたまま教室を出ようとした。

「嘘だよっ」

「え?」

琉ちゃんは、私の顔を掴んでいきなりキスしてきた。
私は、抵抗できずキスに答える。

「教室戻ろうか?」

「う、うん」

ズルいなっ
琉ちゃんはズルい。
私達は、空き教室を出た。
ここを出たらもう私達は先生と生徒。

辛いことはたくさんある。

だって、琉ちゃんはすごくかっこいいから他の生徒からも人気がある。
ベタベタと触られてる姿を見ると本当に辛くなる。

でも、仕方ない。
だって、私と琉ちゃんは………








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