野獣さんとお姫様
「…ん?遥?…おはよぉ」

「おはよう、凪ちゃん…!」

「お弁当!お弁当!あ、遥…学食派かや?」

「学食あるの?」

「うん!めちゃめちゃ、美味しいが!!」


へえ…。そうなんだ。

行ってみたいけど、私は。


「遥?食べないかや?」


「へ?あ、うん…。お昼はいらない」


「……え…」


サラッと言うと信じられないって顔をした。

違うよ。ごめんね。

嘘ついた。


いらないんじゃない。


食べれない…なんてね。


「お腹空かないかや?」

「へーき。朝、いっぱい、食べたから」


うそ。朝も、ご飯というご飯食べてない。


いつからだっけ。


「何食べたかや?」


明らかに、疑われてるよね?


「パンだよ」


「なにパン?」


「忘れちゃった…」


これも、うそ。


私、嘘つきだね。嫌われちゃう。

でも、いいんだ。


慣れっこだから。

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