野獣さんとお姫様
「あー、ごめん。つーくん、怒んないでよ」


「はあ…。早くしろ。」


つーくん?


なんか、みんな顔が綺麗。


カッコイイなんかじゃ、表せやしない。


「見んな、ブス」


……わ、私のこと?


だよね、この中で不細工な顔は私だけ。


『きゃー、遥ってばブッサイクゥ』


『もー、なにしてんのさー。ブスぅ』


……あ、嫌なこと思い出した。


まあ…、否定なんて出来ないよね。


だって、顔なんて…。


「じゃあね、遥ちゃん。」


話しかけられているのにも気づかなかった。


なんて、返事したのか覚えてない。

「………。」


やめよ、考えるのは。


あれは、過去。


振り切れてないのは、弱いから。


今よりは、マシだから。


平気だ、遥。頑張れ。


そう、言い聞かせないと気が持たない。

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