野獣さんとお姫様
「あ、紅さん」

「他人行儀だねぇ。紅でいいよ。希美ちゃん」

……ん?誰?

思わず、キョロキョロと周りを見渡す。


私と、凪ちゃんしか……いないよ?

もしかして、見える人なのかな?

いやいや。そんな怖いこと。


「…あ、もしかして希美ちゃんじゃなかった?!」


目を見開いて言った。

それに、こくんっと頷いてみせると
あちゃーっと頭を抱えてしゃがんだ紅…さん。

「ごめんね♡間違えちゃった。えーっと、じゃあ彩ちゃん?」

首を横に降る。

モテすぎて、女関係が大変なんだろうな。

「え。これもハズレ?!んーー、由美ちゃんでしょ!あたり?」

……たくさんいるんだね。。。

さらに、首を横に降ると…すっごい申し訳なさそうな顔された。


「遥ちゃん、だよね?」


急に、声のトーンが変わった。


あれ、?知ってた…のかな?


その言葉に、こくんっと頷いたら 口角をにやっと上げた紅さん。


「んふふ♡僕ね、女の子の名前…ぜーんぶ覚えてるから…。ごめんね?試しちゃった♡」


と、まさかの答え…。


た、めされた?な、にを?!
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