梅ノ木ノ下、君ヲ想ッタ日

泣いたせいでどうしようもなく不細工な顔になった私。
最近ではもうそんなことにも慣れてしまった。



昨日選んだ戦闘服に身を包み、その上に制服を着る。
スカートのポケットの中に武器をしのばせ、靴を履く。

ヒールはなく歩きやすい…赤い靴。



「矢城ー!ハンカチは持ったの?」



「……持ったよ。」



「そう…。いってらっしゃい、矢城。きちんとおわ「行ってきます」



お母さんの話なんて聞かずに家を出た。



本当はハンカチなんて持ってきてない。
だって、必要ないでしょう?

春だもん。暑くないよ。
だから私にハンカチなんて必要ないの。




ーー大丈夫。私は強い。







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