梅ノ木ノ下、君ヲ想ッタ日

春ノ「ハル」




「やーしろーーー!」


向かいの家からきこえる声。



「声大きすぎだよ、バカハル」


「バーカ!お前より理科の点数高いからぁ〜」



笑いながらブイサインをするこのバカの名前は神奈 春乃(かんな はるの)。

女子っぽい名前だけどれっきとした男子高校生だ。
身長は178cmとなかなかに高く、なによりも人懐っこい性格で皆の輪の中の中心にいるタイプ。

あ、自己紹介が遅れてごめんなさい。
私の名前は間宮 矢城(まみや やしろ)。

よくあるマンガや小説なんかと違って、まったくもって可愛くはない。
それにモテたりもしない。


ーーーーまあ、モテない理由なんて分かりきってるけどね………


「ハル。大丈夫かな?」


私がそう問えば、今までふざけてたのがなかったみたいに真面目な顔になってボソッと言った。


「あぁ。」


そんなことより早くいくぞ、と歩き出すハル。

1度ため息をつくとハルと並んで歩き出す。


「ねえ、歩くの速い。眠い。疲れた。ハルの馬鹿」


「最初のは悪いと思う。ごめん。
でも眠いのはお前のせい。
疲れた理由は知らない。

そんでもって…俺は馬鹿じゃねえ!!」


顔を真っ赤にさせながら怒るハル




いつもと同じ道を、いつも通りバカ話をして歩いた。





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