梅ノ木ノ下、君ヲ想ッタ日
高校1年生の私とハル。
いわゆる幼馴染みというやつで、いつの間にか一緒にいた。
今日も私達は歩き慣れた桜並木の中を並んで歩きながら駅へと向かう。
私達が通っている学校はドラマとかに出てくるような綺麗で大きい校舎なんかではなく、少しボロいどこにでもある学校だ。
しかも家から結構遠い位置にあって同じ中学からその高校に進学したのは私とハルと、1度も同じクラスになったことのない男子だけ。
駅に入り、いつもの電車に乗る。
ここでも、混雑する電車で女の子が潰されないように壁ドンをしながら守る……なーんてことはない。
なぜなら電車は意外とすいているから。
いわゆる下り列車というやつで、東京へ通勤するお父様方とは一緒にならないのだ。
だんだんと建物の減っていく景色を見ながら
私は今日も窓に写る自分を確認して
にこりと笑った。