梅ノ木ノ下、君ヲ想ッタ日
電車ニテ
電車が動き出してから3つ目の駅に着いた。
明らかにソワソワし始めるハル。
正直ウザい。
「ハルーーーーーー矢城ちゃーーーーーん!!」
そう言いながら笑顔で近づいてくるのは高橋 勇大(たかはし ゆうだい)
この男はハルと仲がいい
ハルの友達=私の友達という公式に基づいて、彼も私の友達である
「ゆーだい!会いたかったぜ!!」
「やっと出会うことができたな…ハルよ……」
毎朝、会うたびに繰り返される謎の茶番。
「早く座ってくんないかな?ゆーだい君」
真顔で言った私に少しビビりながらも大人しく座席に座ってくれる。
基本うるさいが話が分からないような奴じゃないのは知っている
だから私は意外にもこの男には気を許している。