記憶の欠片
プロローグ
記憶・・・
人は、嬉しい事も悲しい事も記憶していく。
心に刻まれたそれらは、自分の意志とは関係なく、忘却と再生を繰り返す。
忘れたくても忘れられない。
思い出したくても思い出せない。
人は常に記憶という鎖に繋がれ、喜怒哀楽と言う名の感情を永遠に繰り返す。
しかし、それらは当たり前の事であって、何一つ可笑しくはない。
人間だから
そんな絶対的なる言葉を掲げ、人は歩き続ける。
だから、人は苦しみ、悩み続ける。
そう
それが人間なのだ。