私は先輩の浮気相手 番外編。
「僕の好きだった人も...。
先輩だったんだ」
切なそうに笑う彼は、嘘をついているようには見えなかった。
「だけど僕は、君とは違って別れたよ」
「え...」
「身分の差が無理だって、彼女は出て行ったから」
(...それで、あたしのコトを無理だって言ったんだ)
そっと彼の肩を叩いた。
「馬鹿なのは貴方ですね」
「は?」
きょとんとした彼に、あたしは余裕な笑みを見せる。
勿論これも先輩を見ていたら、自然と出来るようになっていたものだけど。
「諦めるほどの恋だったんですよ。それ。
否定できるはずないでしょ?
手放したのは、貴方なんですから」