私は先輩の浮気相手 番外編。
俺は唯から聞いた許嫁の話に驚く。
時計を見れば、まだ3時を回った頃だ。
「とりあえず、ありがとう!」
『先輩。
ちゃんと断ってくださいよ?
かすみ...中々先輩を名前で呼べないって、落ち込んでましたし』
「本当にかすみは...」
俺は昨日までのかすみの様子を思い出した。
普通にご飯を食べていても、
何故だか俺を気遣っていた。
何で、と聞いても、首を横に振るだけで。
(もしかして...理由は別に?)
結婚指輪はまだ渡せてないし。
やっぱり原因は、名前を呼べない以外にもあるかも知れない。
俺は急いで仕事を切り上げて、実家に走った――。