私は先輩の浮気相手 番外編。
先輩は力なく笑った。
「まぁ...俺の両親は事故でもういないよ」
「そうなんですか...」
「俺があの家の人と、結婚することもなくなったし。
ずっと嘘ついていてごめんね?
ほら、唯の許嫁の時も、親がいるように見せかけて―」
「いいんです。
先輩の嘘なんて、全然辛くなかったですから」
傷つけないようにつく嘘って。
本当に素敵だと思う。
「先輩、逃げたっていいじゃないですか?」
「え?」
「過去から、もう離れましょう?」