私は先輩の浮気相手 番外編。
先輩が鼻を少しすする。
「遅れちゃったね..。
ずっと式場探しているだけだったから。
この台詞、
もっとかっこよく言おうと思ってたけど―」
「十分かっこいいですよ。
今ままで一番..」
「かすみ...」
「先輩がひろさんを殴ったのも、けじめの1つだと思うんです。
今まで嫌な事された分、
先輩はただそれを返しただけで―。
だからあたし、その時思ったんです。
言葉にしない不器用な先輩の傍にずっといたいって」
はは、と先輩が呟いて、抱きしめる力が強張った。