私は先輩の浮気相手 番外編。
その言葉に俺ははっと我に返る。
「かすみの笑顔を増やすのは、誰の役目でもない。
しゅう、オマエだろう。
一度誓った思いがあるなら、貫き通せ。
それが男ってものだ。」
隼人の手を払うと、俺は何とか立ち上がる。
「そうだよな。
俺、目ぇ覚めたかも。
まー殴るのはないけど、じゃあ行ってくるぜ」
「あぁ。」
隼人の元から立ち去ると、俺はかすみのことでいっぱいになっていた。
―もうウソつかなくていいって。
誰かに言って欲しかったのかもな―。
殴られた頬の痛みは、学校に着いてもまだ消えなかった。