私は先輩の浮気相手 番外編。






知ってしまったら。

一生手放せなくなる、かすみの体温。




変わんねぇな...。

このちっさくて細い体も――。



低い声でかすみを呼ぶと、俺を見上げた。

重なった視線。




俺の視線はかすみの瞳を、ただ見つめていた―。




ここで好きだ、と言えば。

先輩から離れるんだろうか。



俺のところに戻ってくれんのか――?





でもそうしたら...あの先輩を支える人は、誰もいなくなる―。




馬鹿だなぁ、俺...。

手放さなければ、こんなにも悩む必要なかったのに―。


< 72 / 95 >

この作品をシェア

pagetop