私は先輩の浮気相手 番外編。
その時、ずっと彷徨っていたかすみの両手が俺を抱きしめていた。
(...そんなことされると――。
かすみのこと、一生引きずるだろ....)
「……もういいぜ。かすみ、離しても…」
俺は別れをもう一度心に決め、引き離そうとしたとき―。
「しゅう…、この傷跡は……何?」
隠したかった俺のウソが、ドクンと鳴り響いた―。
もう隠し切れないと分かって、俺は逃げ出したくなった。
慌てて否定をし、かすみから離れる。
――ダメだぜ。かすみ。
俺よりも―傍にいるべきヤツ、いるんだろ――?
「しゅうっ!あたしを…好きなら本音で言ってよ…」