私は先輩の浮気相手 番外編。
駅を使って両親の家へ行く途中。
道端でうずくまる人影を見つけた。
「あ、あのー...?」
「…ん?」
その人はどうやら怪我をしているみたいだ。
フードを深くかぶっているせいか、
なかなか顔が見えない。
「どこか…具合でも?」
「あぁ...ちょっと車にはねられかけてね。
避けたときに、電信柱に当たって...」
その顔を見せると、確かに額から血が流れている。
そして綺麗な金髪が見えた。
あたしは急いでポケットからハンカチを取り出して、その額に押し当てる。
「あの、家どこですか?
ちゃんと手当てしてください。
それにその大荷物...」
カッコイイスーツを身にまとっているし、この人も豪邸に住んでいるのだろうか。