ひとみ
今日はボクの誕生日だ。
大学も休みだし、のんびりと自分だけのためにこの時間を過ごしていこう。
カーテン越しに部屋に差し込む春の日差しは、とても柔らかくて優しい。
その柔らかな光の中にいるだけで、少し気持ちが高揚してしまう。
さて、どんな1日を過ごそうかな?
読みかけの小説を読むのもいい。
または、せっかくの天気だから、自転車にでも乗ってあてもなくサイクリングに行くのもいい。
あっそうだ、買い物にも行かないと、そういえば冷蔵庫が空だった。
でも、今日ばかりはボクの20歳の誕生日なんだから、少しばかり贅沢して高級食材で豪華ディナーってのもいいかな。
それはそれで楽しみだ。
自分の為に自分だけの豪華な食事を作る。
それも悪くないな。
さてさて、なにをしようかなぁ
うららかな日差しの中で、色々と考え事をしていると、玄関の呼び鈴の音が聞こえた。
あっ?誰だ?
もしかしたら、父さんが誕生日プレゼントでも贈ってくれたのかな?
そんな事を考えながら、ボクは玄関へ向かった。