BEAST POLICE年末特別警戒スペシャル
もう夕食もいらないくらいスイーツを食べて、お腹も気分も満足してしまった。

店を出た美奈はご機嫌の体で街を歩く。

この先にある、大きなクリスマスツリーでも見物したら、今夜は帰って休むとしようか。

そんな事を思いながら歩いている時だった。

「あら?」

1人の男性が目に留まった。

薄汚れたチューリップハットに枯葉色のコートを着た、あまり清潔とは言えない服装の男。

一見してすぐに分かる。

ホームレスらしき男だった。

美奈はこの街のホームレスを無料で診察してやる事もあるので、彼らに偏見はない。

…年の瀬迫るこの時期、仕事もなく、街を徘徊しているのだろうか。

少し気の毒に思いながら、男の姿を見つめる。

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