その一言を聞きたくて
あ、そうだ。

ヨウジはふと思い出したように押入れを漁り、何かを取り出し、それを友樹に手渡した。

一体なんだろう?
DVDと…本?
内容は…うわっ!!

友樹は思わず目を逸らす。
それは紛れもなく、ゲイ雑誌とゲイDVDであった。

すまんすまん、いきなりは刺激が強かったかな?
見なくていいから、とりあえず持っておけ。
それがあるだけで、ゲイだと信じてもらえるから…な?

ヨウジは笑っているが、友樹の心中は穏やかではなかった。
心臓が激しく鼓動している…これが何を意味しているのかはわからないが、とりあえずビックリしたのは間違いない。

あと、LINEも交換しておこう。
なにか困ったことがあったら連絡してくれな?

その言葉に友樹は頷きLINEを交換。
そして、貰った本とDVDをカバンの奥に仕舞い込み、顔を赤くさせたまま深くお辞儀をしてヨウジの家を後にした。

ああ…緊張した。
もう、頭の中ぐっちゃぐちゃだよ…。

友樹は頭を抱えながらトボトボと帰宅するのであった。
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