その一言を聞きたくて
ふと友樹はタイムスリップする前の自分を思い浮かべた。

昔から自分は、スポーツに没頭していてこの頃も部活で頭がいっぱいだったなぁ。
就職してからは仕事でいっぱいいっぱいだったし、それのせいか結局あの時まで結婚できてないし…。
それに彼女だって…あれ?
よく考えたら、今まで彼女すら作ったことないのか俺は…。
そもそも誰かを好きになった事すら…

友樹は思わず固まってしまった。
今を生きることにいっぱいいっぱいだった昔の自分は、この事すら気づいていなかった。
それをタイムスリップした世界で気づかされたのだ。

ちょっと待てよ。
俺は…いったい何が好きなんだ?
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