その一言を聞きたくて
店の外にでると、来た時より外が賑やかになっているように感じた。

どうやらここは飲み屋が集中することもあってか、この時間帯にはゲイで溢れかえるみたいだ。

凄いな…。

友樹は素直にそう思った。
ゲイは圧倒的少数派というイメージが強かっただけあって、目に入る光景が圧巻だったのだ。

…おっと、いけない。
家を目指さなければ。

トオルの肩につかまりながら家までの道を伝え進んでいく友樹。

途中で大地の姿も見かけたような気もするが…酔いが回っているせいでハッキリ分からなかった。


しばらく歩くと、飲み屋通りを抜けて静かな通りに差し掛かった。

このまま真っ直ぐ行けば家の近くまで行ける。

しかし、トオルは突然友樹の身体を引っ張り脇道へと進んでいく。

え?いや、真っ直ぐ進むだけでいいんですけど…?

友樹がそう言うもトオルには伝わらずそのまま引っ張られていくのだった。

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