その一言を聞きたくて
しばらく歩いていくと人気のない空き地にたどり着いた。

周りには家はなく、閑散としている。

あ、あの、これはどういう…

友樹がトオルに話しかけようとしたその時、突然トオルが友樹の唇を奪った。

とっさにトオルを払いのける友樹。
しかし、お酒のせいか力が入らない。

状況がよく掴めない。
しかし、この状況が決して良くないことだけはわかった。

急いで逃げようとするも千鳥足では逃げ切れるはずもない。
すぐに追いつかれ、逃げられないようにと手足を縛られてしまった。

ま、まさか…!?

トオルの狙いにやっと気づくも時すでに遅し。
振舞われたお酒を飲んだ時点で逃れられなかったのである。

ふとトオルの方に目をやると、あの優しかった目は豹変し、欲望に溺れるような目になっていた。
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