その一言を聞きたくて
おい!友樹!大丈夫か!?

どこかで聞き慣れた声が聞こえてくる。

声がする方向に目をやると、汗だくで友樹の名前を呼び続ける大地の姿があった。

まったく、様子がおかしいと思って追いかけてみたらこれだよ。
アイツはな、若い奴を酔わせて犯す常習犯の男だぞ?
ほんと、危ないところだったな。

そういいながら、友樹を縛っていた紐をほどく大地。

友樹は緊張から解放された安心感からか、涙がとめどなく溢れてきた。

ごっ…ごめん…ありがとうっ…。

友樹は涙ながらに大地に謝る。
大地は友樹に寄り添い、ただただ頷くだけであった。
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