その一言を聞きたくて
ガバッ!!

友樹が目を覚ますと、そこは保健室であった。
どうやら倒れた後運ばれてきたらしい。

ふと隣を見ると大輔が座っていた。
何故か顔を赤めらせて。

あっ!目が…覚めたんだね!
うん、よかった!よかったよ!
心配してたんだから…。

何故か分からないが動揺してるようだった。

ごめん、迷惑かけたね。
あの…、俺が寝てる間何かあったの?

友樹がそう聞くと、大輔はさらに動揺して

いや、な、何もなかったよ!
そっそうだ!先生に伝えてくるね!

そう言い残し、大輔は慌てて保健室から出て行くのだった。

いったい何だってんだよ…。

友樹は不思議に思いながら唇を軽く舐める。
スーッと抜けていくような、不思議な味がしたような気がした。
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