その一言を聞きたくて
あれから一週間が経った。
友樹はあれから、普通に学生生活を送っている。
いや、普通というと可笑しな話ではあるが…。
大輔を助けるために過去に来たのであれば、既に現代に戻ってもおかしくはないが、どうやら違うみたいだ。
そもそも現代に戻れるかどうかも怪しくなってきている。
不安に駆られる時もあるが、大輔が今も生きているという事実が友樹の支えとなっている。

ちなみに、あの出来事の数日後に例の神社があった場所に行ってみたが、そのような建物は存在しなかった。
あれはいったい何だったのか、今は手がかりすらない。


大輔はというと、あの一件以来何かを引きずっているのか、友樹と若干距離を置くようになった。
気まずい気持ちは友樹も同じで、どこか関係はギクシャクしていた。

このままではダメだ。
そんな事は分かりきっているんだが…。
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