その一言を聞きたくて
お互いに距離を取り合う関係が継続していたせいか、話す言葉が出てこない。

電化製品の音が鮮明に聞こえるなんて、いよいよ末期だ。

その場の空気に耐えられなくなった友樹は目的を果たすことを諦め、帰ることにした。

それじゃ、俺はこれで。
元気でなー!

と、立ち上がろうとしたその時、突然大輔が友樹の腕を掴んできた。
いったい何が起こったのか頭の整理が追いつかない。
心臓のリズムも早くなる。
手汗もかいてきた。
この現象、本当にどうにかしてほしい。
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