その一言を聞きたくて
よう、大輔。
元気なさそうだけど大丈夫か?


クラスメイトが心配しながら大輔に話しかける。
その男の名前は石田大地。
友樹達と同じ野球部で、明るいだけが取り柄みたいな奴。
高校から一緒になったんだが、一年前くらいから急に大輔と意気投合したようで、時折仲良く話してる姿を見かける。


実は、以前に意気投合した理由を尋ねた事がある。
もちろんタイムスリップする以前の自分がである。
その時、彼はこう言っていた。

俺とあいつは同じ境遇だったんだ。
それがキッカケで仲良くなった。
世間話もするけど、相談事にのることが多いんだよな。

と。
相談事について聞いてみたがそれに関しては全く教えてもらえずただ一言。

友樹には関係ないことだから。

と言われた。
相談役になるなら幼馴染の自分が適任なのに、なぜ相談してくれなかったんだろう。

ああ、思い出すとなんだか悔しいな。
自分だけが仲間はずれみたいだ。
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