その一言を聞きたくて
声がする方を向くと、そこには大輔の姿があった。

はぁ…はぁ…間に合った…。
一人で帰ろうとするなんてダメじゃん!

相当急いで来たらしい。
かなり息が上がっているようだった。

大輔…ごめんな。

申し訳なさそうにする友樹。
そのことは大輔は全く気にしていないようだった。

そして、こう話し出した。

去年の夏、夕方。
ここで僕が呼び止めた時の事、覚えてるかな?

と。
あの日と同じ校門の前。
時間は違えど、忘れるはずもない。
友樹がタイムスリップした日なのだから…。

友樹は大きく頷いた。
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