その一言を聞きたくて
…ーい。おーい!
友樹!大丈夫かー!?

どこからか友樹を呼ぶ声が聞こえてくる。
それはどこかで聞き覚えがあるような声であった。

友樹は目を開ける。

辺りは真っ暗。
スーツ姿の自分。
ここは、間違いなく元の世界。

で、目の前の自分の名前を呼ぶのは…誰だ?

もーっ!心配したんだぞ!
寄り道するならするって言ってよね!

友樹を怒るこの聞き覚えのある声は…少し老けてるけど見覚えのあるこの顔は…。

確信した友樹は涙が溢れてきた。
間違いない…大輔だ。
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