その一言を聞きたくて
その日の部活帰りのこと。
大輔と大地と三人で一緒に帰宅をしていると、突然大地が用事を思い出したと言って走り去っていった。
これは今に始まったことではなく、友樹達の中ではよくある出来事。

しかし、最近はやけに多いような気がする…。

これは、何か手がかりをつかむチャンスだと感じた。
それに、今の友樹に二人きりという状況がとても気まずかったこともあり大輔と早々に分かれ、大地を探す事にした。

しかし、いくら探しても見つからない。
家も尋ねてみたが、大地の両親も帰りが遅くなることしか伝えられてないらしい。

手がかりが全くなく途方にくれる友樹。

やっぱり無謀だったのかな…。

そう思いつつ肩を落とす友樹の前を通る人だかり。
その中に見慣れた顔を発見した。
それは紛れもなく大地であった。

良くない事とは分かっていたが
集団の後をついていく事にした。



まさかこれが、長い1日の始まりになるとは…。
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