禁忌の愛〜始まる関係〜
私とお兄ちゃんだけの『秘密』
私は、『高槻菫』。

今年で16歳になる、高校1年生。

高槻グループ総帥のパパ・『高槻穂積』の後妻である、ママ・『高槻百合』との間に生まれた『一人娘』だった。

そして、私には『異母兄』が三人いる。

私にとことん冷たく、興味がないと思っている、高槻グループの『次期総帥』とまで言われている、完璧な長兄・『高槻慧』、28歳。

気ままな性格で、軽薄だが、私には優しくしてくれる次兄・『高槻要』、26歳。

そして、普段は口が悪いが、やっぱり、私には優しい、一番下の兄・『高槻玲』、25歳。

慧お兄ちゃんはともかく、要お兄ちゃんと玲お兄ちゃんは大好き。

ママも大好き。

パパは、私にとても優しくて、大好き。

幸せな家庭に育ってきた私に、突然、訪れた不幸な『現実』。

ママと玲お兄ちゃんが『浮気』していたということ。

そして、そこから連れ出してくれたのが、よりにもよって、『慧お兄ちゃん』だということ。

私とママのことを『嫌っている』、慧お兄ちゃんが、ママの『決定的な事』を知ってしまった。

きっと、パパに『告げ口』して、私とママを追い出すに決まっている。

私はそう思っていた。

慧お兄ちゃんは、ある部屋に私を連れ込んだ。

その『表情』は、怖かった。

てっきり、私とママを蔑む言葉が出てくると思いきや、

「菫!!今日、『見た事』は、誰にも言うんじゃないぞ!!」

と、私に強い口調で言い聞かせた。

「えっ!?う‥‥ん。分かった‥‥‥。」

私は、その『意外な一言』に面食らい、返事をしてしまっていた。

慧お兄ちゃんは、それだけ言うと、部屋から出て行った。
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop