ただし××な意味で【完】





「もう、冗談ですよ! ほら、新しいゲーム買ってきたんです!」


「ゲーム?」


「一緒にやりましょう! 今すぐやりましょう!」


「帰ってください」


「ええええ、内原さんの好きなゲームの最新作ですよ? フラゲしてきたんですよ?」


「……」




ね? と早口で伝えて新品のゲームソフトが入ったビニール袋を掲げれば、内原さんはなんだかんだでチェーンを外してくれた。


いやだなあ。ゲームには目がないんだから。作戦通り。




「えへへ、でももしアダルティーなことの最中だったなら気にしないで続けてくれても大丈夫ですからね!」


「……お前には恥じらいというもんはねーのか」


「現役女子大生だって下ネタくらい言いますよ。むしろ旺盛なくらいが普通です」


「……頼むから、乙女よ恥じらえ」




女子大生に夢見る内原さんは、遠い目で名言を残すとさっさとリビングの方へ進んでいく。


私も靴を脱ぐとその後に続いた。



内原さんの部屋は殺風景で、同じアパートだから私の部屋と間取りは一緒のはずなのに、まるで別の場所みたい。


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