ただし××な意味で【完】
だけど家具がいちいちおしゃれで、いつ来ても片付いている彼の几帳面さは見習わなくては、と、散らかった自分の部屋を思い浮かべては毎度決意している。(行動に移してはいない。)
「内原さんの部屋来るの、久しぶりだなー」
「そうか?」
「最近内原さん、家に入れてくれないんだもん」
不満をぶつければ、内原さんは「そんなことないだろ」と軽く流す。
そんなことあるです。最近めっきり構ってくれなくなった。寂しいです。
「……ていうか、ほんとに何もしてなかったんですね。なんだつまんない」
リビングの中央のテレビは何も映しておらず、アダルティーな何かが行われていた形跡は微塵もなかった。
「つまんないとはなんだ。当たり前だろ。毎日のように訪ねてくるガキが隣に住んでんのにできるか」
「あ、分かった。そういうのは寝室だ?」
「おいコラ話聞けやクソガキ」
紅茶を淹れてくれているらしい内原さんをキッチンに確認して、そっと寝室の扉を開けた。
うわ、ベッドまでめちゃくちゃ整ってる。ホテルみたい。毎朝整えてるのかな、乱れた形跡はこれっぽっちもない。