ただし××な意味で【完】
内原さんて性欲ないのかな。とか失礼なことを考えていれば、後ろからぽかりと頭を叩かれた。振り向けば、うんざりとした表情の内原さんが紅茶のカップを持って立っている。
「こら」
そのまま寝室に侵入し、ベッドの中央に腰かければ、内原さんは少しの距離を開けて私の隣に座り、ティーカップを差し出してくれた。
ちょっとだけベッドが沈む。ドキドキする。
紅茶を受け取って、わざとらしく首を傾げてみせた。
「安易に男の寝室を覗くな」
「いいじゃないですか。潔白が証明されたんですから。紅茶ありがとうございます」
「俺だからいいけど、他の男の前でやったら即襲われてるぞオマエ。どういたしまして」
「えっ! 内原さんならむしろカムオンですけど!」
「……いや、オジサンをからかわないでくれ」
顔を片手で覆って言う自称オジサンは、小さくため息を吐くと私から離れてベッドの近くの机に自身のコーヒーを置いた。
もしかして照れてますか? あ、なんか可愛い。