咲きカタを知らない花タチ
『オンナって大変だなー』
ケイジが面倒くさそうに眉間にシワを軽く寄せながら
タバコを取り出す。
『だって、好きなヤツと一緒になれたと思ったら
名前変わるし住むとこ変わるし
子育てに追われるしイイ嫁でいなきゃとかあるじゃん』
ずばっと言うな…
『まぁね~でもそれ承知で結婚したから
何も言えないし、言ったらダメだよね~』
(ワタシだって幾度となく
こんなハズじゃなかったと思ったよ)
という一言は飲み込んだ。
でも,結果
再会から1年後のワタシたちは
こうして同じベッドの中にいる。
お互いの痛みを舐めあうように。
お互いの寂しさをうめるように。
お互いの存在価値を確かめるように。
好きとか愛してるとか
そこにはなくて
それでも
きっとまたこうして
ワタシたちは
身体を重ねていくだろう。