-ハナムケ-
「沈んでる?俺が?毎日、朝から晩まで俺が果てるまでこき使って、肝心な時はお高く留まったアイツに頼る誰かさんと今日限りの付き合いだと思うと清々するよ」
「な……っ……!私はあなたが使い物にならなくなる前にちゃんと対応してるじゃない!」
「ふーん。この間は〝もう無理だ”って言ってんのにひたすら働かせてたじゃん。お前の凡ミスだって、しょっちゅうカバーしてきたしな。なのに重要な時は結局アイツだ」
「それは……私だけじゃないじゃん!ヤキモチ妬かないでよ……!」
「ばーか。別に妬いてねーよ。何時ものアイツにはな」
そんな彼の言葉に、
「じゃあ、誰には妬いてんの……?」
そう尋ねると、
「―…」
黙ってしまう。
私をじっと見上げたままで。
この沈黙はやけに長く感じて、それが長引くほど緊張感と気まずさは増すばかり。