ごくまれな事なので、ついでに奇跡も起きたらいいのに
三浦の反応を窺うと、三浦はポケットから財布を取り出した。


「苦手なんだったら、俺ブラック好きなんで引き取りますよ。瀬山さんは新しいの買ってください」

「え?」


香奈は咄嗟に断ろうとしたが、三浦は自販機に小銭を入れ始めてしまった。

ランプが点灯する。

ボタンを押すのを躊躇する香奈に三浦が言った。


「えっと、いつものレモンティーでいいですか?」
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