ごくまれな事なので、ついでに奇跡も起きたらいいのに
「え? ……は、はい!」

香奈が勢いよく返事をすると、三浦はレモンティーのボタンを押した。

取出し口から取り出したレモンティーを香奈に渡しながら、三浦は笑った。


「よかった。今度はちゃんとレモンティーだ」

「すみません。ありがとうございます。じゃあ、これ……」


香奈が差し出したブラックコーヒーを受け取った三浦は、

「いえいえ、お疲れ様です」

とだけ言って休憩室を出ていった。
< 12 / 15 >

この作品をシェア

pagetop