ごくまれな事なので、ついでに奇跡も起きたらいいのに
「え? え?」

自分はレモンティーが欲しかったのだ。
なぜブラックコーヒーなのか。

香奈は、自分の意思に反して手にしているブラックコーヒーを見つめてから、それまでの自分の動作を思い返した。

「……ちゃんと押したよね」


「どうかしました?」

自分の動作が間違っていなかったことを確認した瞬間、ふいに声をかけられ、香奈はバッと声の主のほうに振り返った。


そこに立っていたのは、三浦だった。
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